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国内最古の大型遊具!生駒山上遊園地の『飛行塔』(生駒市)

MVやドラマのロケ地としても近年話題となった生駒山上遊園地。
園内には様々な乗り物(遊具)やアトラクションがありますが、中でも一番有名なのが1929年の開園当初から90年以上も愛されている国内最古の大型遊具『飛行塔』ではないでしょうか?

2021年(令和3年)9月28日には、近鉄生駒鋼索線と共に土木学会選奨土木遺産に認定されており、遊具としてはもちろん、歴史的にも貴重な土木遺産です。

目次

生駒山上遊園地へ!

生駒山上遊園地へは車のほか、近鉄生駒ケーブル(近鉄生駒鋼索線)でも行くことができます。

近鉄生駒鋼索線については別記事で詳しく書きたいと思いますが、冒頭に書いた通りこちらも土木学会選奨土木遺産に認定されている貴重な現役の土木遺産となっています。

生駒ケーブルで生駒山上駅に到着!

私が「生駒山上遊園地」へ到着したのは閉園間近の16時頃のこと。
長弓寺や宝山寺などを巡っている間にこんな時間になってしまいましたが、この日の目的は遊ぶことではなく “飛行塔を写真に収めること” だったので、なんとかギリギリ間に合った…!という感じでした。

飛行塔

生駒山上遊園地の園内には無料で入ることができます。(乗り物などは別途料金がかかります)
この日はGWだったため、入り口で事前予約の確認などがありましたが、普段は特に準備など必要なく入れると思います。

園内MAP

入り口から歩くこと数分で、高さ約30メートルの『飛行塔』が見えてきました。

逆光で見辛くてすみません

標高と合わせると、東京スカイツリー(634メートル)よりも高い位置となり、奈良や大阪の街並み、あべのハルカス(大阪市)や淡路島(兵庫県)まで望めるのだとか!

4機のゴンドラが旋回しながら上下し、約5分間の空中散歩を楽しむことができます。
乗車定員はゴンドラ1機につき6人で、付添者があれば0歳から搭乗できるとのこと。

利用料金は1回500円です。

他の乗り物も楽しむなら、乗り放題の「フリーパス」やお得な「とくとくチケット」を買ったほうがいいかもしれませんね!

飛行塔の歴史

『飛行塔』は1929年3月27日から稼働され始めました。
開園当初からあり、現存する国内最古の大型遊具としても有名です。

そんな『飛行塔』の歴史について、まずはWikipediaから記事を引用したいと思います。

園内の飛行塔は、日本における大型遊具開発の祖である土井文化運動機製作所(大阪市浪速区、のち関西娯楽→タップス、2003年自己破産)の土井万蔵が設計した現存する唯一の「土井式飛行塔」である。土井式飛行塔は1920年(大正9年)の千里山遊園を皮切りに、愛宕山遊園地(京都市愛宕山)など全国各地に設けられた飛行塔で、生駒山上遊園地のものは16番目の製品である。

生駒山上遊園地の飛行塔はほかの土井式飛行塔と異なり、当初展望台を兼ねていたため、内部にエレベーターが設置されているのが特徴である。エレベーターのかご室は塔体上部から張り出したアームから吊下がる飛行機形ゴンドラの釣り合い重り(カウンターウエイト)を兼ねており、ゴンドラが上昇するとエレベーターが下降、ゴンドラが下降するとエレベーターが上昇するしくみになっている。

第二次世界大戦中、園内では金属類回収令(鉄材供出)によって大型遊具が解体搬出されたが、飛行塔については防空監視所として海軍航空隊が利用したため、ゴンドラやエレベーターなどの撤去にとどまって塔体は解体を免れた。その後も繰り返し改修が行われているが、塔基礎と塔体は2014年現在も開園当時のままで、日本国内に現存する大型遊具では最も古いものである。

飛行塔は近鉄生駒鋼索線と共に2021年(令和3年)9月28日に土木学会選奨土木遺産に認定された。

引用元:生駒山上遊園地 – Wikipedia

「大型遊戯機械の父」土井万蔵が設計

設計者は大正から昭和にかけての機械技術者であり、日本の「大型遊戯機械の父」として知られる土井万蔵(どいまんぞう)氏です。
土井氏は日本の各地に「土井式飛行塔」を建設していますが、今も現存しているのは生駒山上遊園地の『飛行塔』のみとのこと。
当初は内部にエレベーターがあり展望台を兼ねていたそうです。

ずんぐりとしたシルエットの飛行機と無骨な鉄塔がノスタルジーな雰囲気を醸し出しています。

戦時中に海軍航空隊が利用

他所の飛行塔は第二次世界大戦中の金属供出等で無くなったそうですが、生駒山上遊園地の『飛行塔』は防空監視所として海軍が利用したので解体を免れることができました。
見晴らしの良い山上に建っていたのが功を奏したということでしょうか!?

土木学会選奨土木遺産に認定

2021年(令和3年)9月28日。
生駒鋼索線と生駒山上遊園地飛行塔は、“わが国私鉄に見られる観光施策を証示する最古の施設であり、先例のない中で独自に開発したものとして貴重な現役の土木遺産” として土木学会選奨土木遺産に認定されています。

土木学会選奨土木遺産について
公益社団法人土木学会が、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木建造物の保存に資することを目的として、2000年に認定制度を設立。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出している。

引用元:生駒ケーブルと生駒山上遊園地の飛行塔が「土木学会選奨土木遺産」に認定されました|近畿日本鉄道株式会社 近鉄レジャーサービス株式会社のプレスリリース

奈良県内の土木遺産は他にも以下のものがあります。

旧奈良駅舎(奈良市)/ 薬水拱橋(吉野郡大淀町薬水)/ 百寿橋(大和郡山市)/ 旧国鉄五新線(未成線)鉄道構造物群(五條市)/ 奈良市水道関連施設群(奈良市・木津川市)/ 関西本線三郷~河内堅上間橋梁群(奈良県~大阪府)/ 谷瀬の吊り橋(十津川村)/


また、県内でも特に優れた景観をテーマに選ばれる「奈良県景観資産」の1つにも認定されています。

奈良県景観資産について
奈良県では平成23年度から平成28年度までに、県内でも特に優れた景観をテーマに一般公募の上審査し、「奈良県景観資産」として登録しました(奈良県景観条例第20条に基づく)。
登録された奈良県景観資産は全体で161点となり、その内容も歴史を感じさせる町並みや大自然の営み、山から見下ろした風景など、多岐にわたります。また、奈良県の39市町村の全てに、奈良県景観資産は存在します。

引用元:奈良県景観資産総合案内所/奈良県公式ホームページ

MVやドラマにも登場!

『飛行塔』をはじめ、生駒山上遊園地はMV(ミュージックビデオ)やドラマのロケ地にもなっていますので、ご紹介したいと思います。

平井堅さんのMV『ノンフィクション』

まずは平井堅さんのMVノンフィクションから。
有名な飛行塔の他、ミュージックエキスプレス、コーヒーカップ(今はアニマルティーカップにリニューアルされています)が登場します!

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」

NHKの連続テレビ小説舞いあがれ!でも生駒山上遊園地がロケ地に使われています。

「舞いあがれ!」は福原遥が空を飛ぶ夢に向かうヒロイン・舞を演じるNHK連続テレビドラマですが、第13回の放送で浩太と舞が遊園地を訪れる場面があり、放送当時SNSでは「生駒山上遊園地」がトレンド入りしました。

当時のネットニュースがありましたので、一部を転載させていただきます。

90年以上の歴史がある生駒山上遊園地(生駒市)の大型遊具「飛行塔」が、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で取り上げられ、放映後にSNSでトレンド入りするなど注目を集めている。入園者も増えており、関係者は「『朝ドラ効果』で遊園地の魅力を多くの人に知ってほしい」と語る。

<中略>

放送中の朝ドラは、東大阪で町工場を営む家庭で育ったヒロインが「空を飛びたい」という憧れを胸にパイロットを志す物語だ。10月19日の放送で、幼いヒロインが飛行塔に乗ると、SNSで遊園地の名前がトレンド入り。「小さい頃連れて行ってもらった思い出の遊園地に心がぎゅっと締め付けられた」といったコメントが寄せられた。

引用元:奈良:飛行塔人気 舞いあがる<生駒山上遊園地>:地域ニュース : 読売新聞

山上からの素晴らしい景色を味わったヒロインはどんな気分だったでしょうか?

2029年の100周年にむけて!
『飛行塔』は世代を超えて、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

「飛行塔」の情報

所在地:奈良県生駒市菜畑2312-1(アクセス

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