2021年11月にリニューアルオープンした橿原考古学研究所付属博物館へ行ってきました。
よりわかりやすく生まれ変わったという展示内容を見るのが楽しみなのはもちろんなのですが、一番の目的は奈良土偶界のアイドルと言っても過言ではない!?観音寺本馬遺跡(かんのんじほんまいせき)から出土した土偶(以下、『観音寺本馬遺跡土偶』と表記)に会うことでした。
今までも『観音寺本馬遺跡土偶』に会えるチャンスは何度かあったのですが、なかなかタイミングが合わず…
今回ようやくの対面となりました。
観音寺本馬遺跡土偶って?
観音寺本馬遺跡
まず、観音寺本馬遺跡とはどんな遺跡なのか?橿原市のHPから、遺跡の概要を引用させていただきます。
観音寺本馬遺跡(かんのんじほんまいせき)
引用元:橿原市/観音寺本馬遺跡
本市南西隅、観音寺町から御所市本馬にかけて所在する、縄文時代から中世にかけての複合遺跡です。
縄文時代については、晩期中葉(今から約2,800年前)の住居跡、土壙墓(どこうぼ)、石組炉(いしぐみろ)などが見つかりました。これら集落の縁辺部では、流路内から環状杭列や木組遺構など生業活動に伴うと考えられる遺構や、流路周辺から埋没林が出土しました。埋没林の中には人為的に形成されたと考えられるクリ林も見つかりました。このように、当時の人々は狩猟・採集だけでなく、樹木を管理・栽培することで、食料の確保を行っていた事が明らかとなりました。
このように、当遺跡は集落の中心部だけでなく縁辺部に及ぶ全体の様相が、これだけ具体的に明らかとなった遺跡は極めて珍しく、当時の集落の規模や構成、或いは生業活動や植生を考える上で重要な遺跡であると言えます。
観音寺本馬遺跡は、橿原市観音寺町から御所市本馬に所在する縄文時代から中世にかけての複合遺跡です。京奈和自動車道建設の際に発見された遺跡で、2007年から2009年にかけて発掘調査が行われました。
中でも縄文時代の資料が豊富で、その規模は県下でも最大級だということです。
発見されたのは、主に晩期中葉篠原式期(約2,800年前)の集落跡や甕棺墓による墓域、人為的に形成されたクリ林、漁のために流路に設けられたと思われる木製杭列など。縄文時代の平地住居の発見は珍しく、本遺跡が兵庫県佃遺跡に次いで2例目だということです。
また、完形の土偶や大量の石棒類などの呪術具が複数の土器溜まりから発見されたほか、動物遺存体も検出されています。
観音寺本馬遺跡土偶に会おう!
『観音寺本馬遺跡土偶』の特徴は、何といっても愛らしいユーモラスな造形にあるのですが…!
百聞は一見にしかず!
というわけで、早速実物を見てみようと思います♪
『観音寺本馬遺跡土偶』は橿原考古学研究所付属博物館内の「第1展示室」に展示されています。
数々の土偶を展示している土偶ボックス前には、タッチパネルも設置されていて、初めての人でも土偶について学べるようになっています。
観音寺本馬遺跡と奈良県の土偶
引用元:奈良県立橿原考古学研究所Facebookより
橿原市・御所市観音寺本馬遺跡から出土した土偶は、丸く開いた口と大きな耳、両足を踏ん張ったユーモラスな姿が人気を呼び、出陳した数々の展覧会で好評を博しました。
土偶とは、縄文時代の人々が女性をイメージして造った土製の人形です。女性らしい乳房やおなかの大きな表現などから、生まれ来る生命への思いや子孫繁栄の祈りが込められたものと考えられます。
土偶は縄文時代草創期から出現し、弥生時代の初めにかけて流行しますが、奈良県では後・晩期のものが多く出土します。その多くは板状で、顔や体の表現がデフォルメされたシンプルなものですが、中には橿原遺跡や八条北遺跡出土品のように、複雑な模様が描かれた装飾豊かな例もあります。
他の土偶も気になるところではありますが、記事がどんどん長くなってしまいますので、今回は割愛させていただきます。
じゃじゃ〜ん!
ようやく『観音寺本馬遺跡土偶』と初対面することができました〜!!
(悲しいことに写真はちょっとピンボケしておりますが…)
かわいい!!
余談ですが、土偶女子として知られ、土偶関連書籍も出版されている譽田亜紀子さんが、土偶にハマるきっかけとなったのが、この『観音寺本馬遺跡土偶』だったのだそう!
多くの人を魅了している土偶なのですね〜♪
せっかくなので、いろんな角度から写真を撮ってみました。
全体的にピンボケで申し訳ありません。
ふくらはぎがぽっこり膨らんでいるところなど、もう少し分かりやすい写真も撮ればよかったのですが…私の力不足でございます。
『観音寺本馬遺跡土偶』が出土したのは縄文時代晩期中葉(B.C.800年頃)とされています。出土時、左腕は欠けた状態で見つかり、その左腕は別地点で出土しています。一般的に女性を象ったっものだと言われていますが、『観音寺本馬遺跡土偶』は立派なふくらはぎがあることから、男性の土偶ではないか?という説もあるそうです。
頭部に赤色顔料が残っていたということなので、元は赤色の土偶だったのでしょうか?
ちなみに、顔にあいている穴は目ではなく耳や、耳飾りの表現だといわれています。
目と鼻は省略されているということですね。
愛くるしい姿の『観音寺本馬遺跡土偶』はやはり人気なようで、ミュージアムショップにもグッズが並んでおりました!(写真が多いとページが重くなってしまいますので、グッズについては別記事で書きたいと思います。)
「橿原考古学研究所付属博物館」の情報
所在地:奈良県橿原市畝傍町50-2(アクセス情報)
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 :毎週月曜日(月曜日が休日にあたる場合は開館し、その翌日休館)
※年末・年始(12月28日〜1月4日)※上記の他、年に数日臨時休館日がありますので、ご注意ください。
観覧料 :大人400円(350円)/ 学生(大・高校生)300円(250円)/ 小人(中・小学生)200円(150円)
※( )は20名以上の団体料金
電話番号:0744-24-1185
駐車場 :無料駐車場あり
WEB:奈良県立橿原考古学研究所附属博物館[トップページ]
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