「くにすの杜(もり)」さんの施設内にある、大海人皇子の愛犬(カグハナ)が葬られているという「犬塚」を見学した後、麓にある『御霊神社』にも足を伸ばしてきました。
こちらの神社には大海人皇子を守る為、国栖(くず)の翁が犬を叩いた石が奉納されているそうなのです。
歴史・伝説
国栖の『御霊神社』についてあれこれと調べてみましたが、詳しい情報はあまり分かりませんでした。
『吉野町史』には “当地は国栖奏発祥の古跡と伝えられ、白鳳年間の創祀にして、国栖翁の祖は中山助之尉政国と云われるが、祭神は神社明細帳には不詳と記して不明である” とあるそうです。
祭神は犬を殺めた「國樔乃翁(国栖の翁)」であるとの情報が散見していますが、かつての祭神が「國樔乃翁」であって、現在は『御霊神社』の名の通り、怨霊神が祀られているのでは?との情報もありました。
国栖の翁が犬を殺めた経緯については、「犬塚」横の説明板に書かれていた内容をそのまま引用しておきます。
壬申の乱(672)の時、大海人皇子と大友皇子が皇位継承争いを繰り広げているなか、大海人皇子はこの国栖に逃れてきた。その時、敵の追っ手が連れてきた鷹と犬(ミルメ・カグハナ)から大海人皇子を隠すために国栖の翁という者が河原で船を逆さにし、その中に皇子をかくまった。しかし、犬のカグハナにかぎつかれそうになった。
引用元:「犬塚」横の説明板より
翁はとっさに犬を石でたたき、死なせてしまった。この為皇子は事なきを得た。
その後、死んだ犬は大海人皇子の愛犬と判り御霊神社の裏山に葬られた。それ以来その地を犬塚と呼んでいる。また、その時翁が犬をたたいた石は、現在も御霊神社に奉納されている。
犬を飼うと祟りがあるという言い伝えから、ここ窪垣内の集落の人々は昔から犬を飼わないそうです。
ですので、神社には狛犬もありません。
1300年以上も前の古代と今がつながっているのが、おもしろいですね!
境内・周辺の様子
山の斜面に沿って建てられており、階段はかなり急になっています。
手すりもついていますが、高所恐怖症の私には恐怖を覚えるほどの急斜面でした。
恐る恐る登って拝殿に到着しました。
そっと中を覗き込むと神殿が見えます。
後で知ったのですが、犬を叩いた石は神殿の右側に奉納されているとのこと…。
ちゃんと写真に撮れていませんが、もしかして赤丸で囲っているのがその石だったのでしょうか?
もっとちゃんと見ておけばよかったと、今更ながらに後悔しております…。
境内の端には「神武天皇・明治天皇 遥拝所」の石碑も建っていました。
神社は白鳳年間の創祀とのことですが、神武天皇も遥拝なさったということは、かなり古い歴史がある土地だということでしょうか…?(専門知識がないので、この辺りのことはよく分かりません;)
御霊神社の情報
所在地:奈良県吉野郡吉野町窪垣内1
電話番号:0746-39-9237(吉野町観光案内所)
駐車場 :「くにすの杜(もり)」施設内に無料駐車場あり
参考ページ:御靈神社 吉野町窪垣内
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